20009年邦文(社会)一次試験の総括
応用問題に対応するため広く深く知っておくこと
邦文試験は、日本地理、日本歴史、一般常識の3教科から構成され、形式はマークシート方式になっています。2006年に発表された「通訳案内士試験ガイドライン」によると、3教科とも平均点は60点程度になるよう作成されることを前提に60点前後を合格ラインとし、出題内容は高等学校の教科書レベルとされ、訪日外国人旅行者をガイドする観点を重視して出題、さらに一般常識では時事的な問題も含まれる、とされています。
邦文問題の出題傾向とポイントは、次のとおりです。
Aある一つの出来事を、時代、文化、関係する人物、建造物など、多方面の情報と絡めて覚える
必要がある。
Bニュースや新聞などで話題になったものが出題されている。
C問いかけにひねりのある応用問題で全体的に増えている。
日本地理
知名度の低い都市も問われる新しい傾向
近年同様、国内の観光地を重視する傾向は変わっていませんが、より細かい問題が出題されていました。
国立・国定公園の名前と場所と特徴をしっかりと勉強するところから始めてください。
新しい傾向として、重伝建に関する問題が出題されているので、日本全国の重伝建をまとめ、理解しておく必要があります。
地域ごとに祭りや伝統工芸品などの観光要素をまとめて覚えましょう。
漠然と写真を見るのではなく、特徴を捉えるようにしましょう。
日本歴史
教科書をベースにひねりのある応用問題も
日本歴史は、高校の教科書レベルの問題が約9割出題されます。
古代から近代まで幅広く、一つの時代に集中することなく、教科書を通読して理解するようにしましょう。昭和に関する問題は比較的少なく、近代に関する事柄は一般常識にもつながるので、重点的に勉強しておきましょう。 最後まで問題を読むくせをつけましょう。
地図問題や写真での文化財に関する出題は定着するとみていいでしょう。教科書に載っている文化財の「作者」「題名」「時代」「場所」を写真で見て即答できるように。また、歴史上の事件が起こった場所を意識して勉強すると効果的です。
一般常識
日本歴史の近代史と絡めて理解度をアップ
一般常識の問題は大きく分けて2つの分野から成り立っています。
A日本の政治・経済・産業
B日本と世界の政治から文化に至るまでの常識的な知識を試す問題。雑学的なもの。
一般常識の政治・経済・産業問題の対策としては、日々のニュース、新聞、普段の生活から得た知識と学校のテキストで学べば合格点は取れるでしょう。
日本史の近代史の項目は非常に参考になりますので、目を通しておきましょう。
音楽や文学、映画など新しい情報をチェックすることが必要です。ガイドの仕事は、歴史や歴史的建造物だけでなく、「今」を伝える仕事でもあるので、日本や世界の状況を常にチェックする習慣をつけることは、実践的に役に立ちます。
時間があれば就活用の問題集をみるのもいいかもしれません。
取材自「通訳翻訳 2010WINTER P88-89」
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